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2023年11月01日

11月献立表と小笠原流礼法〜(3)嫌い箸は厳に慎む

11月献立表と小笠原流礼法〜(3)嫌い箸は厳に慎む

11月献立表はコチラです。

紅葉前線がスピードを増して北上し、黄・赤・緑のグラデーションがお山のてっぺんから麓の里に向かって下りてきています。うだるように暑く食欲の失せた夏に比べると、今すぐ食べたいと思うメニューばかりになって、献立表も色とりどりの紅葉のようです。

<嫌い箸(忌み箸、禁じ箸)>

さて、今月の食事作法に関する話は”嫌い箸”です。”忌み箸”、”禁じ箸”とも言いますね。トップの写真は拝み箸。両手で箸を持って拝むようにする所作はNGです。

以下に、小笠原流礼法に限らず長く口伝されてきたものも含めて、好ましくない箸の持ち方や扱い方をリストアップしました。折々に話題に上り、子供の頃は たびたび注意もされましたが、改めて眺めてみるとどれも新鮮で、やばい!と背筋が伸びる思いがします。

●迷い箸
どれを食べようか迷い、箸をあちこちと動かすこと。
●移り箸
いったん取りかけてから他の料理に箸を移すこと。
●刺し箸
箸で食べ物を突き刺すこと。 幼稚な印象を与えてしまいます。押さえる、裂く、切るなどの箸の12の機能で食べやすいサイズに調整しましょう。
●押し込み箸
口に入れたものをさらに箸で押し込むこと。 元気よく食事をすることは良いことですが、下品な印象を与えます。
●かきこみ箸
某社のお茶漬けのCMみたく、器に直接口をつけ箸でかきこんで食べること。押し込み箸と同様に下品な印象を与えます。
●涙箸
箸先から汁を垂らすこと。 印象が悪く卓上や洋服を汚します。器を持ち上げるか、取り皿で受けましょう。
●指し箸
人や食べ物を箸で指し示すこと。
●横箸
飯粒などのついた箸を横にねぶること。
●寄せ箸
器を箸で引き寄せること。必ず箸を置いてから、両手で器を移動させましょう。
●渡し箸
箸を食器の上に渡しおくこと。 箸を置く際は箸置きの上に置き、ない場合は箸袋を畳んで代用しましょう。
●持ち箸
箸を持ったまま器を持つこと。 箸置きにおいてから食器を持ちましょう。
●重ね箸
ひとつの料理ばかり食べ続けること。 作り手や同席する相手に嫌な印象を与えてしまいがちです。
●ねぶり箸
箸の先をなめたり、口に加えたりすること。 無意識にやる方もいますが、同席者に不快感を与えます。
●受け箸
箸を持ったままご飯のおかわりをすること。箸は一度置きます。
●もぎ箸
箸のご飯粒などを口でもぎとるように食べること。
●ほじり箸
器の底にある食べ物をほじり出すこと。盛りつけは崩さない。
●揃え箸
バラバラになっている箸先を皿の上や唇の上で揃えること。
●振り上げ箸
食事中に話に夢中になって箸を振り上げること。
●拾い箸
箸と箸で料理の受け渡しをすること。

箸の作法は、互いに心地よく食事をするための工夫で、大人の常識です。
不快感を与えぬよう美しく、そして気持ちよく、美味しくいただきましょう。

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